マスク依存を治す
マスクはサングラスとも共通点があります。どちらも顔を隠す物理的な効用があるからです。心理的な壁、バリア的な認識には役に立つのです。
心理学では「仮面効果」という言葉があります。他人に自分自身を特定されないようにする、不特定多数化するということで、そうすれば自分の本性を表しやすくなるのです。叢書の匿名化ともある意味似ているでしょう。
「マスク依存症」の要因は、ズバリ自分が恥ずかしいと思うところを隠したいのです。伊達マスクで自分を隠すのです。確かに伊達マスクをしていれば、顔の大半が隠れます。女性であれば、化粧はして素顔を覆うと、自信が出てくることが多いようで、マスクもある意味同様です。素の自分を覆い隠して、違う自分になった感じになるわけです。
もちろんマスクが外せなくなったら危険です。伊達マスクをしている子供は注意が必要です。危険な兆候は「いつもマスクをしていないと落ち着かない」、「マスクをどうしても外せない」、「マスクを外すのは睡眠、入浴、食事だけ」、こうなるとマスク依存症と言えます。
こうした背景にあるのは、「自分に自信がない」、「人とコミュニケーションするのが苦手」という心理状態にあり、一種の不安障害かもしれません。
マスクへの依存が進行する前に、心療内科、カウンセラーなど専門家に診てもらうのがベターです。子供の場合は、保健室の先生、学校カウンセラーの先生に相談するのもいいと思います。
心理的な問題だけに、こじらせると治療には時間がかかってしまう恐れがあります。その背景にある、ストレスや不安をきちんと見つめることです。
具体的には「オープンマインドを意識する」ことが大切です。会話をするときは相手の表情を見ることです。それだけでも信頼関係を築いて安心することができます。自分自身を認めてあげることも重要です。
コンプレックスを隠したいのはわかりますが、肯定してあげることこそ重要なのです。こうして少しずつマスクをしない時間を増やしていくようにしましょう。